HYTの中古価格・相場・全モデル一覧
HYTの主要モデルの在庫・参考価格・相場感をまとめて確認できます。
HYTとは
古代の水時計に着想を得ながら、時計製造と流体工学の技術を持ち寄って開発を進めています。
同年の最初のモデルH1では、機械式ムーブメントの力で細い管の液体を動かし、時刻を表示しました。
2015年には直線状に時刻を示すH3も登場し、液体を使った表示の形を広げていきました。
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二液の境界が過去と未来を分け、メニスカスが現在時刻を示す
HYTは2012年、特許取得済みの流体モジュールを組み込んだ腕時計を生み出しました。表示に使うのは、着色された液体と透明な液体です。着色液は過ぎた時間、透明液はこれからの時間を表し、二液が接する境界であるメニスカスが現在を示します。
「過去・現在・未来」という三つの時制があるからといって、三種類の液体が別々に時間を数えるわけではありません。二液の位置関係と、その境界の場所によって三つの時制を視覚化します。現在は独立した物質ではなく、過去と未来が接する移動中の境界として現れるのです。
この読み方を先に押さえると、HYTの液体表示を色の装飾ではなく、時間の概念を空間へ置き換える仕組みとして理解できます。次に見るべきなのは、境界を動かす力がどこから生まれ、終端でどう戻るかです。
ベローズ・毛細管・機械式ムーブメントが液体表示を動かす
液体表示は、6時位置にある二つの柔軟なベローズと、それらを結ぶ毛細管で成り立ちます。毛細管の中では着色液と透明液が分かれ、混ざり合わない状態を保ちます。
- 圧力を作る:一方のベローズが縮むと、もう一方が連動して広がります。
- 二液を動かす:収縮と膨張が、着色液と透明液を押し出し、反対側では吸い戻します。
- 時を読む:毛細管を進む二液の境界、メニスカスの位置が時を示します。
- 終端から戻す:着色液が6時位置に達すると初期位置へ戻ります。この動きがリワインドです。
リワインドは1日に2回起こり、計時を止めることなく、およそ60秒かけて完了します。ベローズ、毛細管、液体、メニスカス、リワインドを原因と結果の順に並べれば、それぞれを同じ部品名として混同しません。ベローズは圧力を作り、液体は移動し、毛細管は経路となり、メニスカスが読み取り位置を示します。
液体が経過を見せ、機械式ムーブメントが動きのリズムを生む
流体モジュールと機械式ムーブメントは、同じ部品を二つの呼び方で表したものではありません。流体モジュールは時間の経過を目に見える形へ変え、機械式ムーブメントはその動きのリズムを生みます。キャリバーとベローズは別の役割を持ちながら、一つの時計として連動します。
| 要素 | 担う仕事 | 同一視しない相手 |
|---|---|---|
| 機械式ムーブメント | 動きのリズムを生む | 流体モジュールそのものではない |
| 流体モジュール | 時間の経過を液体の位置へ変える | キャリバー全体の別名ではない |
| ベローズ | 収縮と膨張で二液を動かす | ムーブメントやモジュール全体ではない |
二つの仕組みが接続されるからこそ、機械式時計の周期的な動きが、液体の連続的な移動として見えるようになります。HYTの特徴は機械を液体へ置き換えたことではなく、別の役割を持つ二系統を一つの時間表示へ結び付けたことにあります。
H1の「出会い」からH2の「統合」へ、機構と表示の関係が深まった
H1とH2は、数字の順に同じ仕様を更新しただけの二世代ではありません。2012年のH1は、高級時計製造と流体力学を初めて出会わせた作品として位置付けられます。液体で時を示すという発想を、腕時計として成立させた出発点です。
翌2013年のH2は、流体機構を機械式時計へさらに深く統合した段階に当たります。H1が二つの分野を出会わせる課題を担ったのに対し、H2はその接続をより深い構成へ進めました。
| 作品 | 年 | 中心となる課題 |
|---|---|---|
| H1 | 2012年 | 高級時計製造と流体力学を初めて出会わせる |
| H2 | 2013年 | 流体機構と機械式時計の統合をさらに深める |
比較すべきなのは新旧の優劣ではなく、出会いを成立させる段階と、統合を深める段階の違いです。
H0は液体表示を前面に出し、H5は501キャリバーへ進んだ
H1、H2、H0、H5を一直線の仕様向上として並べると、それぞれが選んだ表現と機構の課題が見えなくなります。H0とH5は、液体表示を何に集中させるかという点で異なる転換を示しました。
2017年のH0は、簡潔な造形によって視線を液体表示へ集め、その芸術性と劇的な動きを際立たせました。複雑さを追加するより、液体の動き自体を主役にする方向です。
2020年のH5には、TEC Groupが開発した新しい独自の501キャリバーが採用されました。こちらは新しいキャリバーを得ることで、流体表示を支える機構の側へ転換点を置きます。
- H1:流体力学との出会い
- H2:機械式時計とのより深い統合
- H0:液体表示への視覚的な集中
- H5:新しい501キャリバー
数字が増えるほど同じ仕様が積み上がるのではなく、各作品が別の課題へ焦点を移しています。
2022年のHastroid以後は、501-CMと赤い分針まで個別作を絞って読む
2022年のHastroidは、厚さ13.8 mmのケース、中央の分針、軽量素材、最新世代の流体モジュールを特徴とします。ただし、Hastroidという系列名と、個別仕様であるSilver Redを同じ範囲として読んではいけません。
HastroidにはSilver Red、Rainbow、White Neon、Blue Star、Cosmic Hunter、Green Laser、Green Nebula、Supernova Blueという異なるバリエーションがあります。名称の幅がある以上、一つの製品で示された色、キャリバー、持続時間を全作の共通仕様へ広げないことが重要です。
| 範囲 | 説明できる特徴 |
|---|---|
| Hastroidの系列 | 2022年に始まり、厚さ13.8 mmのケース、中央分針、軽量素材、最新世代の流体モジュールを持つ。複数のバリエーションを展開 |
| Hastroid Silver Red | 液体によるレトログラード時表示、赤い中央分針、スモールセコンド、パワーリザーブ表示。手巻き501-CMの持続時間は72時間 |
Silver Redの大きな中央分針は、赤い被膜と鋭い輪郭によって分をすばやく読めるよう設計されています。501-CM、72時間、赤い中央分針はSilver Redの特徴であり、RainbowやWhite Neonを含むHastroid全作の共通仕様ではありません。系列から個別作品へ段階的に絞ることが、HYTの仕様を正しく読む方法です。